【初ソフビ】タレヌーをソフビ化してみた

前々から気になってはいたのですがついに今年(2024年)からソフビ制作に手を出してみました。

せっかくの初ソフビなので記念にいろいろ書き残しておこうと思います(^^)

目次

①原型制作〜初回提出

②原型チェック〜磨き〜最終提出

③蝋型制作

④金型制作

⑤成型〜テストショット完成

⑥本番成型〜バリ取り〜塗装

⑦梱包 ←今このへん

①原型制作〜初回提出 2024年1月

●いつものZBrushと3Dプリンターで原型制作

いつも通りZBrushで作りました。ソフビならではの形状の制約があるため、一通りネットで情報を漁って落とし込んで作りました。元はガレキ版の「怪獣タレヌー」です。この原型をそのままサイズ大きくして出力。

ガレキ版についてはこちら → 【オリジナルフィギュア】怪獣タレヌー

サイズも迷ったのですがガレキ版よりは大きく、かといって持ち運びとか飾るのに場所取りすぎるのも困るので、ほどほどに。あと、金型1枚に収まらないと金額がまた跳ね上がるのでやっぱりほどほどに。

あとパーツ分割も大事で、最初は2パーツ構成で作ってました。

●初の打ち合わせへ(どきどき)

ネットで探した金型業者さんへ問い合わせてから原型を郵送。後日連絡が来て全額振り込んでから、初回の打ち合わせとなりました。初訪問はやはり緊張しました(^_^;)

打ち合わせの場にて、送っておいた原型をもとにいろいろとここはこうしたほうがいいとかコメントを頂きました。原型に直接書き込んでもらったり、写真付きで細かく修正箇所をまとめた資料も事前に準備してもらってたりと、かなり分かりやすくすすめてもらえて安心でした。

●ご指摘頂いた主なポイント

・全体的に、エッジ(前髪の輪郭などなど全部)がシャープすぎる。→ほぼ全身に手をいれることに。
・ただし成型時に引っこ抜く際どこに当たらずに引き抜ける位置はシャープでもOKとのこと。
・塗装が大変そうなので脚パーツを分割して3パーツになりました。
・3パーツにしたら服のすそ部分が細すぎるとのことでややふっくらと。
・足裏の刻印(自分の名前とかMade in japanとか)の線が細いので太く、入り口は広く。

などなど細かくチェックして頂き、いったん持ち帰って修正しました。

↑まだエッジがシャープな状態。ソフビ用にもっとまるっとさせます

②原型チェック〜磨き〜最終提出 2024年2月〜3月

●修正した原型を持って2回目の打ち合わせへ

初回の打ち合わせで頂いたコメント分を反映させて2回目の打ち合わせへ。今回は3パーツに分けたのである意味振り出しに戻って直接見て頂いた感じです。3パーツ化及び初回でのご指摘箇所の修正は概ねOKでした。足裏の刻印だけはまだ改善ポイントありでした。

出力品ゆえの積層跡について、少しでも残っていたらのちのちソフビになっても反映されてしまう例があるらしく、念入りに見てもらうため、次回はサフを吹く前に積層を磨いた状態&足裏修正ver.でチェックをしてもらうことにしました。

●刻印修正と積層跡の磨き

持ち帰って足裏の刻印を直しつつ、積層も全消し目指して磨きまくりました。そして3回目の打ち合わせへ。足裏も積層磨きも直接見て頂きOKだったので、次はサフ吹いた状態で持ってくることになりました。

持ち帰って最終的な仕上げのためサフを吹きつつひたすら磨きます。。サフ吹いて、よしっと思っても翌日改めて見るとうーんって箇所があり、を何度か繰り返しました。

●原型チェックを通過し最終提出!

磨きが終わったら4回目の打ち合わせへ。最終的な原型としてOKを頂き無事に原型の最終提出となりました。初のソフビ制作ということもあり、かなり念入りに見てもらってとってもありがたいです。

↑完成した原型。ガレキ版よりエッジがまるっとしています

↑3パーツ構成となりました。磨きもがんばりました

↑足裏の刻印に苦戦しました

③蝋型制作 2024年3月〜4月

●蝋型が完成

次は蝋型(ワックス原型)の制作です。提出した原型のシリコン型を作って溶かした蝋を流し込んで蝋型に置き換えます。この工程は金型業者さんでまるっとやってくれます。ありがたいです。

蝋型が完成したので伺ってチェックさせてもらいます。特に問題なくピカピカに仕上げて頂きました。

ただし、大変残念なことに蝋型は次工程の金型を作る際に溶けて消えてしまう運命なのです。せっかく超きれいな状態なのにもったいないけど仕方ないのです。記念に写真がたくさん撮らせてもらいました。

●成型色についての打ち合わせも

今回の5回目の打ち合わせでは蝋型チェックと併せて成型についてのお話もさせて頂きました。白か薄いクリーム色かなーと迷っていたのですが、薄いクリーム色でお願いしてみました。ここまでの金型業者さんと成型業者さんは別なのですが、初回は金型業者さん経由で依頼をしてもらえるそうです。

業者さんによるとは思いますがデザイナーとかが使いそうなカラーチップというか、束になった色見本から選べるとのこと。あまり塗装しない感じのソフビなら色々選ぶのが楽しそうです。(タレヌーは顔が白とか薄い色なので、成型色が濃いと塗装時に透けとか気になりそうで、まずは薄めの成型色にしてみた次第です)

ゆくゆくは透明なクリアー素体とかも見てみたいなと思ってます( ´ ▽ ` )

↑提出した原型をもとに作って頂いた蝋型

↑ピカピカにきれいに作って頂きました

●蝋型を自作!?

原型だけはなく、蝋型作成までを自分で作る方もいて、Amazonでは、

ロストワックス 鋳造用 SDワックス

のような材料も販売しています。ただソフビ化までの流れにかなり詳しい方が身近にいたりしないとなかなか難しそうです。金型や成型の作業まで見越して作成する知識と技術が必要となると思われます。

④金型制作 2024年5月

●金型が完成

蝋型を使って金型を作ってもらいます。引き続き業者さんでまるっとやってくれます。ありがたいです。

金型完成の連絡を頂き見に行ってきました。今回の6回目の打ち合わせでは、金型の確認と今後の成型の流れについてお話してきました。金型の確認といってもほーほーと言いながら写真をバシバシ撮らせてもらったりちょっと持ってみてずっしり感を感じてみたりとそれくらいです。鉄って感じで、外枠とか溶接の感じとかかっこよかったです。

↑ドーン!こちらがタレヌーのソフビの金型になります!1枚の金型に3パーツ分が並んでいます

↑これを作るために原型や蝋型が必要となっていたのです

↑この無骨な感じがかっこいい。ちょっと持ってみましたがずっしり重かったです

↑上側からみたところ。3パーツ分の穴が開いています

↑穴を覗いたところ。ピッカピカです。奥の方までしっかりと磨いているそうです(ものすごい職人技)

↑お遊びで自分フィギュアを並べての写真も撮らせてもらったりしました

●金型は成型屋さんへ送られる

このあとの流れとしては成型屋さんへ金型を送ってもらいます。成型屋さんとのやり取りもこのまま金型業者さんが間に入っていただけるとのことで、引き続きまるっとお願いしました。

テストショットが届くまでしばし待ちとなります。非常に楽しみです。

⑤成型〜テストショット完成 2024年5月

●成型工程について

実際にソフビができる工程です。金型にゾル(ソフビの原料となるとろ~りとした液体)を流し込んで、温めて、ソフビができあがることを”成型”と呼ぶそうです。もちろん成型業者さんへまるっとお願いします。ありがたいです。

●ついにテストショットを手にしました!

テストショットができたとの連絡を頂き見に行ってきました。今回の7回目の打ち合わせでは初ソフビと初対面です。行ったら1体組み立ててあり、さっそく見せて頂きとっても感動しました。とってもどころじゃないくらいにうれしかったです。すごいきれいにしあがってて大満足です。金型業者さん、成型業者さんに大感謝です。

テストショットの受け取りと、あと組み立て方の説明も聞いたりしました。(初ソフビだったこともあり、その場でバリ取りの実演もして頂きつつ説明を聞きました)

*バリ=組み立てる時には不要になるカップ状の部分。カッターで切り離します。

↑受け取ってきたソフビ。まだバリが付いている状態です

↑足裏の刻印(原型で苦労したところ)もばっちりキレイに反映されてました

持って帰ってきた分も自分で初のバリ取りをして組み立てました。ドライヤーでけっこう温めたりえいやっとはめこんだりちょっと苦労しました。

で、できあがったタレヌーソフビです。初めてゴズワークスが組み立てた第1号タレヌーになります↓

↑正面から^^

↑横から^^

↑手に取ったところ。

高さおおよそ10cm前後です。大きすぎず小さすぎずよいサイズ感かと。聞いていた通り原型より少し縮みました。並べた写真も撮りたい。

↑斜めから。よき佇まい(自画自賛)

↑3Dプリンター出力品のレジン製フィギュアと並べたところ。

これからは「フィギュア」と一口に言っても「出力品なのかソフビなのか」を区別して分かりやすく伝えたり表記していかないとだなぁ。

年始から初めて約半年。ソフビのことをほとんど知らず、ネットでググった知識だけで業者さんへ連絡を取りすすめてきましたが、ようやく手にできてやりきった感がすごいです。ここからが色を塗ったり販売したりとスタートなのですが、ひとまずのゴールです。やりきりました(`・ω・´)

まだ本番の成型品(大量に発注したやつ)は届くのが先なので、その頃にまたちゃんと仕切り直して改めて販売できるようにスタートしていこうと思います。

⑥本番成型〜バリ取り〜塗装 2024年6月〜7月

バリ取りや塗装は自分でやろうと思ってます。ソフビカラーとか塗装マスクとかイチから勉強です。

6月末に素体(大量に発注した成型品)が届きました。テストショットと同じようにバリ取りして組み立ててみました。
最初の素体はオフホワイトな成型色で依頼していまして、実物どんなかなと思ってたけどすごいいい色です!

さっそく塗装マスクを作って塗ってみたけど難しいですね。キワがぴしっとならずぼやっと。マスクとソフビの間に隙間ができているようです。少し削ったりして調整して奮闘中です。今のところ塗らない素体が一番かっこいい。。。

ラッカー塗装の覚書き。Vカラーで塗るのがベストだけど色数が少ないので調色がほぼ必須なのと、手元のラッカー使えたら使いたいので。ググったところVカラーの上からならラッカーOKとあったので実践してみました。

・Vカラー(ソフビ用塗料)=塗膜強いし乾燥早いしこれで塗れたら塗る。調色はがんばるしか

・ラッカー系=色が作れないとか事情ある時に使う
  -直接塗るのはNG → 塗膜が弱く、爪でこすると剥がれた
  - Vカラーの上から塗る→ 乾けば強くこすっても大丈夫そう
               乾燥はVカラーほど早くないので焦らずじっくり


       

↑ソフビの切れ端を使ったテスト
左側の黄緑(Vカラー)を先に塗って乾燥させてから、右側の青(ラッカー系)を重ね塗りしたところ

とりあえず重ね塗りしたら塗膜大丈夫っぽいので様子見ながらラッカーも使っていこうと思います。実はこんな弊害があるよってご存知の方いましたらこっそり教えてください。。m(_ _)m

⑦梱包 2024年7月

それっぽくタグをつけて袋詰めして、ワンフェスやデザフェスで販売しようと思ってます。どきどき。

夏のワンフェス(WF2024s)でデビューできそうです。タグの印刷も注文して無事届いて梱包しています。

写真もいずれ掲載しようと思います。

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